人工知能、AIとは?
人工知能・AIとは
人工知能もしくはAIという言葉は、この分野に直接関係ない人々の間にも浸透し、誰もが知る存在となりました。近い将来、少子高齢化によっておよそ900万人もの労働者が不足するといわれており、AIの役割に対する期待はますます高まっているところです。AIを活用すれば、労働者が不足している状態でも生産性を向上させることが可能になります。今後の社会にとって、AIは欠かすことのできない重要な労働力のひとつとなることは間違いありません。
AIは「Artificial Intelligence」の略語で、大辞林第三版によれば「学習・推論・判断といった人間の知能の持つ機能を備えたコンピューターシステム」という意味です。ただし、人工知能の定義には諸説あり、専門分野の人々の間でも確たる定義がないのが現状です。ある専門家は「人工的に作られた人間のような知能、ないしはそれを作る技術」と述べており、別の専門家は、「人工的に作った知的な振る舞いをするためのもの(システム)である」や「人工的に作られる知能であるが、その知能のレベルは人を超えているものを想像している」などと述べています。また、「知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない」とする専門家もいます。
AIの分類
AIを分類すると、「特化型AI」と「汎用型AI」、「強いAI」と「弱いAI」の4つに大別されます。同じAIでも、人間のような思考力を持つコンピューターと人間の思考の一部を持つコンピューターがあります。
特化型AIと汎用型AI
特化型AIとは、限定された領域において自動的に情報を学習し、処理を行う人工知能のことで、画像や音声認識、自然言語処理などの技術を持っています。汎用型AIとは、領域を限定することなく、人間と同じような思考力を駆使して課題を処理する人工知能です。ビジネスの領域で多く活用されているのは特化型AIです。人間と同じように不測の事態にも対応できる知能を持った汎用型AIは、まだどのように実現していくか不透明です。本当のAIは特化型ではなく汎用型であるとの考えを示しているなど、現在使用されているAIをAIとするところに疑問を持つ専門家もいます。
強いAIと弱いAI
アメリカの哲学者ジョン・サール氏は、AIを「強いAI」と「弱いAI」に分類しました。強いAIとは、人間の知能を必要とする作業もできる人工知能で、自意識を持っています。弱いAIとは、人間の持つ知性の一部のみを持つ人工知能で、特定の課題処理に特化しています。「強いAI・弱いAI」という書籍には、AI研究の第一線で活躍する9名の研究者へのインタビューがまとめられています。AIの最新事情について情報収集するならぜひ読んでおきたい一冊です。