画像認識
AIの最新トレンド「画像認識」
AIによる画像認識とは、画像の中に写っているものをコンピューターが識別する技術のことです。画像に写っている色や形などの特徴をコンピューターが学習することで、新たな画像を認識できるようになります。現在は、画像検索とディープラーニングの技術を併用することにより、特徴が複雑でも画像認識ができるようになりました。
人間や動物には、顔の中に目や鼻や口など共通しているパーツがありますが、形状は種によって異なります。また、人間には皮膚と髪の毛があり、犬や猫などの動物には毛があります。そうした1つひとつの特徴は、人間であれば見ることによって記憶され、次に見たときには記憶の中から情報を得てそれが何であるか認識します。コンピューターに人間と同じように画像認識をさせることは技術的にかなり難しく、これまで多くの試行錯誤が重ねられてきました。しかし近年では、急速に進歩したAI技術によって画像認識の精度も高まってきており、スマートフォンの顔認識など多くの分野で画像認識の技術が活用されています。
画像認識の活用例
画像認識は、すでにさまざまな業界で活用されています。製造業では、経済産業省がIoTとAIの導入を強力に後押ししています。これまで蓄積されてきた手書きによる膨大な技術文章をAIによる文字認識技術で電子化し、技術者が過去の技術文章を簡単に検索できるようにした企業があります。製造ラインに画像認識AIを導入することで、不良品検出の精度を高めつつ作業を効率化させた例もあります。人間の手では膨大な時間がかかる作業や人間の苦手とする作業を画像認識の技術が補うことにより、製造業の仕事のあり方に大きな変革をもたらしています。
同じような発想で、医療現場においても画像認識の技術が大きく役立っています。早期のがんなど、人間の目ではどうしても確認できないようなごく小さな病変を、画像認識技術を使って即座に発見することに成功しています。画像で腫瘍を判定したり、画像で細かな血管の状態を認識するシステムの開発も進められています。
防犯の分野でも、画像認識の技術が役立っています。不審者の侵入をはじめとするささいな異常は、これまでなら監視カメラを見て異常を検知した人間が対応するのが一般的でした。しかし、AIが防犯の分野に入ることによって、人の目が常にない状態でもリアルタイムで異常を検知できるようになりました。現在開発が進められている都市全体を把握する画像認識システムが本格的に導入されれば、犯罪の捜査や犯罪の抑止に大きく貢献できるでしょう。画像認識技術への期待は高く、今後さらに多くの業界で広く活用されていくことが予想されます。
