業務支援
AIの最新トレンド「業務支援」
業務効率化は企業にとって常に重要な課題であり、それらの課題解決にIT技術は欠かせないものとなっています。ITによる業務効率化において、AIが果たす役割はどんどん大きくなっています。最近のAI技術のトレンドに「RPA(Robotic Process Automation)」というものあります。RPAとは、デスクワークにおける定型的なタスクをAIが覚えて代行する技術のことで、企業や自治体、各種団体などの業務自動化に広く活用されています。
RPAはあくまでも定型的な業務を自動化する技術であって、繊細さや高度な技術、知識、その他イレギュラーな対応を必要とする業務は引き続き人間の仕事です。しかし、AIがカバーできるとされる業務の領域は確実に広がっており、高度な業務が自動もしくは半自動化される技術の開発も次々に進められています。この点で目立つのは、医療現場におけるAI技術の活用です。AIによるがんの発見の精度は専門の医師の精度を大きく上回っており、医療サービスの向上に大きく貢献しています。
さまざまな分野の業務をAIが支えている
保険や金融などの専門性や正確性が求められる分野においても、AI技術が導入されるようになってきています。生命保険の支払い審査は、複雑でないものであればAIによる自動審査で十分に対応できています。保険の支払いまでに必要な業務の多くが自動化されたことで、大規模災害の発生時にも多くの顧客に早く保険金を支払うことが可能になりました。従来であれば多くの手間がかかっていた銀行のローン審査や各種手続きなどのバックオフィス業務も、その多くがAIの導入によって自動化されています。業務金融取引についてAIがトレーダーの判断傾向を学習し、トレーダーに代わって自動取引を行う技術も試行されています。
メディアでも、天気やスポーツ報道の原稿作成にAIが活用されることがあります。電話の音声を認識しテキスト化する技術により、コールセンター業務にかかる負担は軽減されつつあります。会議などの議事録を音声認識によって記録することで、大幅な時間短縮を実現した自治体もあります。
AIの導入は、多くの企業にとってまだ新しいチャレンジで、本格的に活用されるのはまだこれからです。業務効率化に役立つ一方で、課題が見つかることも数多くあります。しかし、現在実現できていることだけを見ても、業務効率化にAIが欠かせない存在となっていることははっきりとわかります。AIがどこまで人間の知的業務を代行できるようになるかは未知数ですが、今現在行われている以上の業務領域をAIがカバーできるようになることはほぼ確実です。